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a tokyo based manicurist, hatsuki furutani's salon works from a.m.s. ebisu place in shibuya

2012-03-23

旅行記 : 早春がうらうら 広島がそよ風に薄春霞む瀬戸内海

a.m.s.恵比寿プレイスです。

わたくしどもですが基本的にネイルサロンのブログだし、実は暑苦しい文章とか無い方が良いかもしれないし、大人しくネイルだけ紹介しとれやっていうのもあるんだけど、たまに「解説者マサ子(仮名、37歳)」の好きなものコーナーというのがあって、特に期待されていないコーナーなんだけど、そういうのもたまにやってるのね。で、今回は「好きな場所、広島」です。広島に行ってきた。

[この光景、モナコよりもサンフランシスコよりも。]

広島について語ったら長いよ。解説者マサ子生まれも育ちも京浜地区、六郷土手の橋の下で拾われたんだけど、なぜか広島が途方もなく好きでね、これもう理屈じゃなくて、「うらうら霞んでそよそよ風が吹いている」様があまりに心地よいので、たまに行くようにしてんの。どうも広島の現地の人はその心地よさをあんまり自覚されていないケースが多いようなんで、昭和50年生まれ人民の星アンジェリーナ・ジョリーが国連なんとかのなんとか大使を委任されているように、ここはマサ子昭和50年生まれ37歳に広島大使をまかせてほしい。ミス・桃の花祭りとかミス・津軽リンゴのお嬢さん達みたく、襷がけして振袖来て宣伝する。マグマ大使みたくならないようにする。世が世なら立派にオハグロしてる年なのに張り切って振袖着るなとかあんたが大使じゃ迷惑じゃとかここはひとつ言わないでですなまあ聞くだけ聞いて。だって、世界でも他に無いほどの美しい風景とえもいわれぬ心地よい気候とおいしい食べ物と親切な人達という、ハワイも真っ青・てかハワイ行ったことないんだけどさ、まあその4大好条件がそろってるのに勿体ないじゃない。で、いつもは時候の良い10月に行くんだけどモノの本によると、春の瀬戸内海というのは、えもいわれぬほど心地が良いらしいというのを読んだので、先週行ってきた。

[ここは極楽浄土 蓬莱の島々の彼岸か?知らん間に渡ってもうたのか?]

広島の唯一の弱点は、市内と空港が離れてるって事なんだけど、まあその空港を降りたら何か薄ら寒いのよ。早春が気持ちが良いって言っても、来るの早すぎたかしら。とか思って市内に着いてから広島駅の駅ビルの喫茶店でお茶を飲んで地図でも見て、その日の計画をたてて、さて。ということで駅の外に出たら、もう適度な暖かさで適切な湿度で、うらうらと気持ちの良いそよ風がそよそよと吹いてんのね。広島の北風に根性がないのか、広島のうらうらそよ風力に根性がありすぎるのかどっちなのかわかんないけど、寒いとか気のせいだった。完膚なきまでにうらうら。ああいう風にうらうらとそよ風が吹いていると、東京って北関東的関東平野の空っ風が吹きすさぶ寒い北国なんだなと思うよね。

[嗚呼 大きなお船が行ってしまう 都のあの人に便りを伝えてね]

あとさ、私生まれも育ちも京浜地区なもんだから、子供の頃の旅行っていったら北関東・東北・信州が主で、静岡より以西には行ったことがなかったのね。関東東北甲信越の山々は広島の山々よりも険しく深いよね。どうも、広島の空港から市内に向かうリムジンバスに乗っていたら、霞みか雲か、自分の目の高さを棚引いているんだけど、あのあたりの山ってどう考えても標高数百メートルだと思うのね。わたしの北関東的常識から行ったら、靄とか霧とか雲とか霞が棚引く、っていうのは1500mとか1800mの白樺が生えるような山なら、自分の目の高さや自分の目の下に霞みが棚引いているってこともあるだろうけど、高地でもないのに霞みが棚引くというのは、これもしかしてここは桃源郷なのか?山間部だけじゃなくて、瀬戸内海の方に出ても山でも野焼きしてんのかしら。ていうくらい、もう霞みとか靄とかいうレベルじゃなくて、それ、煙なんじゃないか、っていうくらい、うらうらもやもやそよそよしている。秋の広島は抜けるように爽やかな薄い青い空でそのまま空色の空の天にも昇るくらい気持ち良いけど、春はすべてがけだるく心地の良い湿気を含んだ靄と霞みに薄くもんやり包まれて、何とも現実感が遠のいて気も遠のくくらい素晴らしい。

[離島に通う連絡船が行ったり・・]

[・・離島から通う連絡船が来たりするけど愛があるから大丈夫なの]

そんなんで、かなり気も遠のいてボーっとして歩いてたんだろうね。基本的に私性格悪いのでそんなにボーっとしてると言われることもないし、お皿を割るとか鍋を吹きこぼすとか小さい失敗は非常に恐れる性質だし、そういったことがあったら絶対にいやだと思うから、注意深くそういうことが起きないように生きてたはずなんだけど、よっぽど気持ち良くなって腑抜けになってボーっとして歩いてたみたいで、平和大通りで生まれて初めて犬のうんこを踏んだ。子供の時にも踏まなかったのに・・。普通、なかなか大人になって犬のうんこ、踏まないよね。まさか自分が!とはこのことだよね。驚いた。

[拙者鉄道オタクではござらんのでデュフフww失敬失敬ww]
そんで、広島から呉までフェリーに乗って、呉から三原まで「清盛マリンビュー」という瀬戸内海沿岸の美しい沿線を走る電車に乗った。これ、要は呉線だよね?聞いた話なんだけど、新幹線に乗るとね、のぞみちゃんがどっか広島の近辺で最高速度を出すらしいんだよね。その最高速度達成の瞬間になると、運転手さんだか車掌さんだかから「ただいまこの新幹線は最高速度 時速〇〇km/hで運行しております」とかいうアナウンスが入るらしんだけど、そのお伝えしてくれる様子が実にうれしそうに嬉々としてるんだそうだ。逆に、清盛マリンビュー号は、これここぞ!ここだから!ここ絶景だから!という地点に来ると、無言でスピードを落とすんだよね。わかるよ。私にはわかる。のぞみちゃんの運転手さんたちは、嬉々として最高速度達成を言葉にしてお伝えしてくれるけど、私にはわかる。清盛の気持ちが言葉にしなくてもわかる。言葉がなくても伝わる。曰く、愛があるから大丈夫なの。

[これは何でしょう?]
[答え:負け犬のスパランチ]

それでは。